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好きなものは、コンビ萌え

異性間ブロマンスはありえるか――沢口靖子と内藤剛志の"chemistry"

※サムネイルも最初のくだりもSHERLOCKなので大変紛らわしいですが、科捜研の女についてのブログです(笑)。

 

ブロマンスと言われると最初に思い浮かぶのが、BBCSHERLOCK」のベネディクト・カンバーバッチマーティン・フリーマンの2人。

SHERLOCK/シャーロック シーズン4 Blu-ray-BOX

 

もともとシャーロック・ホームズジョン・ワトソンコナン・ドイルが生きていたころから読者に疑われていたそうだけど、これだけ世界中に腐女子がいるのだと知らしめたのはこの作品の力なのは言わずもがな。

別にブロマンス要素を語らなくても素晴らしい作品なのだけど、やはりはずせないだろう。

例に漏れず、私もこの2人の俳優が大好きになった。

なぜかってそこにはやはり彼ら自身が語るとおり、"chemistry"が二人の間にあるからである。

 

"chemistry"の意味は「化学反応」だが、恋愛においては「相性」になる。

そして、ただ単に相性が良い訳ではなく、コントロールできないような要素でお互いが惹かれ合っている、とちょっぴり神秘的なニュアンスもあるそう。

 

さらにこの”chemistry”が演技だけでなく、より個人的な部分で起こっていて「それは愛みたいなもんだよ」ってマーティンが言ってくれるんだからね(笑)。

こういう事実が、虚構をより面白くするってことだな。

 

ただ、私はこの2人に「恋愛関係」を求める妄想は正直いらないなと思っていて…。

楽しみは人それぞれで、二次創作はとてもクリエイティブな行為。

でもこれは強がりではなくて(笑)、それを上回る愉悦が自分にはあるから。

 

あくまで私的なブロマンスの解釈

 

私が「SHERLOCK」のなかで一番好きなブロマンス的表現は、シーズン3「最後の誓い」でシャーロックが死の淵をさまよっているとき、ジム・モリアーティが死の誘惑を語りかけるシーン。

ここでジムがジョンの名前を言ったとき、シャーロックは心停止したにもかかわらず生還する。ここでジョンの存在がいかにシャーロックの中に根ざしているかが表現されていると思う。

 

シャーロックはジョンのために人を殺すし、命だって投げ出していく。

ジョンはシャーロックにだけ甘えることができる。

 

ここで、私はこう思ってしまう。

 

この2人の関係性が深くなればなるほど、

恋愛的要素なしに「友情という名の信頼のみで成り立っている」ことこそが尊くて切ないのだと。

 

その切なさが私を虜にする。

こんなに深い絆があっても、この2人に肉体的欲求は起こらない。

そこに悶えるのが、私のこの上ない愉しみなのである。

 

ドMの思考回路だと自分でも思う(笑)。

 

友情という名の信頼のみで成り立つ関係性 

 

SHERLOCKを観たのは2017年。私はこの愉しみをすでに知っていた。

マリコと土門薫。 科捜研の研究員と刑事のバディもの。

約17年も続く長寿ドラマ「科捜研の女」で、この2人の関係を楽しむ人は多い。

Twitterを見れば一目瞭然だし、どもマリというカップリングも存在する。

そしていまでは出演者やスタッフが「どもマリ」とのたまう(笑)。

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ブロマンスの一般的な定義は「決して肉体的な欲求が伴うことのないプラトニックな関係性のこと」

そして個人的なブロマンスの解釈は「友情という信頼のみで成立する関係性」である。

ここで頭に浮かぶのはこれだ。

 

「男女に友情は成立するのか」

 

この2人に友情という言葉は少々違和感がある。

だが、シーズン5で土門は妹にこう言うのだ。

「あいつは戦友だ」と。

 

どちらかが窮地のとき、命さえ投げ出して支え合うほどの関係性にもかかわらず、そこに恋愛感情は介在しない。

仕事上でのパートナーとして、絆は深くなるばかりにもかかわらず。

 

 

さて、私はここまでどもマリが盛り上がったのは、

沢口靖子さんと内藤剛志さんの間に"chemistry"があるからだと思っている。

インタビュー記事によれば、1989年のNHKドラマ『その人の名を知らず』で初共演だと内藤さんがおっしゃっているので30年近い年月が流れているわけで。

その後、夫婦やら上司と部下、恋人役と共演を重ねてきて、ベッドシーンまでこなしてきた2人が行き着いたのが「仕事上の相棒」とプラトニックな関係という。

 

もともと、相性はいいんだと思う。

でも年月が生んだ「阿吽の呼吸」があると内藤さんが言ってるんだから、それがマリコさんと土門さんの関係性をより情感のあるものにしているんだと思う。

役としてマリコさんを、役者として沢口靖子さんをアシストしたいという事実が、虚構を面白くしているのだろう。

 

作品はキャスティングが大事と言われるけれど、いろんなものが奇跡のように合致してこそなのだと実感する。萌えはそんな重なり合った偶然の上に成り立っている。