宝塚における組の系譜とは
久しぶりにこの前「TCAスペシャル OGバージョン」を観ました。
大浦みずき・なつめさんと剣幸・ウタコさんみたさに買いましたが、初めて見たときは2人にしか目がいってなかったので観直してもすごく新鮮(笑)。
じっくり観ていると、いろんな発見があります。
そのなかで、月組のミーマイのあとのトークでの真琴つばさ・マミさんが姿月あさと・ずんこさんと一緒に「初演のときは組が違ったのですが、再演のメンバーだったので我々も仲間に入れてください」みたいなことをいうんですね。
このトークでは久世星佳・のんちゃんが飛び入りゲストで一緒に並んでいたから、天海祐希・ゆりちゃん以外のウタコさんからマミさんまで、歴代の月組トップスターが勢ぞろいしたわけです。
あの中にいるマミさんとずんこさんは「花組生だなあ…」と。。。
ゆりちゃんやのんちゃんがトップ時代のときはまったく感じなかったし、マミさんがトップになったときも感じなかったことなんですけど、見ていた私はあのころ小学生だったこともあるので、いま大人になってから見ると、ということです。
それでマミさんのトップ時代の作品いくつか見直したんですけど、トップになって男ぶりがあがったマミさんは相変わらずカッコよかったんだけど、ウタコさん時代の作品をみたあとでは、あの月組黄金時代の雰囲気をちゃんと受け継いだのはのんちゃんまでなんだなって。
やっぱり、ゆりちゃんとのんちゃんはウタコさんの背中を見てた人なのでね。
マミさんの次に紫吹淳・リカさんがなって、さえちゃんは星組っぽさがあるけど、そのあと瀬奈じゅん・あさこさんがなったからやっぱ花組色は強めですねぇ…。でも霧矢大夢・きりやんは不思議と月組っぽさがある人です。あと明日海りお・みりおも。これってどういう影響なんでしょうねぇ。マミさんを観てた世代だからなんですかね。
こうみてみると、系譜をかんじますね。
それで組み替えによってそれが幸か不幸か新しい組のカラーがうまれていく。
そう考えると、他の組のことも考えてみたくなります。
このOG公演を出ていた人で書き出してみましょう。
そして、星組は日向薫・ネッシーさん、麻路さき・まりこさん、稔幸・ノルさんまで揃い、娘役も毬藻えり・シギちゃんと星奈優里・ゆりちゃんがいたので、シメあやがいたら完璧!な布陣。
ネッシーさん以降のトップスターがもつ雰囲気ってその前のトップさんから引き継いだものではない気がします。
鳳蘭・ツレさんのベルばらが初舞台だったとはいえ、ネッシーさんは最初月組配属だし、芝居のときのあの軽やかさは月組味を感じます。そのまま月組生でいたとしてウタコさんと一緒に芝居してても自然に感じそう。
星組に組み替えしたころのトップだった瀬戸内美八・ルミさんのもつ雰囲気はどう考えても月組生のそれで、峰さを理さんの雰囲気もツレさんの背中を見てたからこそのゴージャスさと雪組っぽい真面目さを感じます。
あの「貴族の組」は根っからのお育ちの良さと、立ち姿の美しいネッシーさんの佇まいがあったからこそ始まって、そこにネッシーさんに負けず劣らずの紫苑ゆう・シメさんが横にいて、まりこさんというゴージャスなスターが集まったことによって確立したのだなあと。そしてそのスターの背中を見ていたノルさん、わたるさんまで続いたのかなと思います。
ノルさんの次のトップスターだった香寿たつき・タータンはどう考えても花組生なんですよね。雪組には合っていたと思いますが、星組っぽさはないかなー。
TCAの星組トークで一緒に出ていた渚あきちゃんもどう考えても花組生。マミさんの横にいるとしっくりきます。
わたるさんのあとは瞳子さん、ちえさんと続いていくわけですが、瞳子さんはやっぱり雪組だなと思います。そして、あの世代から宝塚の性質が変わってきたように思うので、あの「貴族の組」とはもう別物ですね。
花組ってそう考えると強固ですね。
ダンスの花組を体現したのはなつめさんですが、なつめさんは雪組と星組を経験していて、その前のペイさんも組み替えが多い人なので、いま思う花組のカラーってそのころにつくられたものなのかなと。順みつきさんの「霧深きエルベ〜」観たことがあるんですが、私が思う花組とは少し違っていました。
ペイさんは汀夏子・ジュンコさんや麻実れい・ターコさんの横にいるのみたことあるんですが、風合いは雪組。でもセンスのある軽妙洒脱な独特のスターなので、新しい花組を作ったのはペイさんで、それになつめさんが続いて自分の個性を打ち出したって感じを受けます。
そして安寿ミラ・ヤンさん、真矢みき・ミキちゃん、愛華みれ・タモさん…と続くわけですね。
それでもあの花組の雰囲気があるのは春野寿美礼・オサさんと蘭寿とむ・まゆさんまでかな。
真飛聖・ゆうさんはあまり花組色はなかった印象ですね。みりおは前述の通り月組っぽいし。
雪組はどうなんでしょうねー。私は轟悠・いしちゃん以降、壮さんあたりまでちゃんとよく観ていないのでよくわかりませんが、ジュンコさんから続いていた男のドラマを描くことに長けているあの骨太感はいしちゃんあたりで終わったのではないでしょうか。
そのあとの絵麻緒ゆう・ぶんちゃんはどう考えても星組生だし、そのあとの朝海ひかる・コムちゃんは元花組生だし、その前に宙組時代もあるし。そして水夏希・みずさんは組み替えも多いし独自性が強い人なのであまり組のカラーはそこまで感じないかなと思います。音月桂ちゃんは水さんと同じ雰囲気があるし、ちぎちゃんはその系譜の人かな。壮さんとちぎちゃんのあとの望海風斗・だいもんは花組生らしさをもったトップですね。
ひとつひとつ考えていくと、その組のカラーっていうのはその時代のトップスターの個性によって作られている気がします。そこで下級生時代を過ごしたスターは他の組でトップになるとその影響を受けてそのカラーを受け継ぐか、自分の持ち味を生かして個性を出すか、そのどちらかなのですね。
そう思うと、80年代のトップって圧倒的だなと思います。
特になつめさんの2000年代まで続く凄まじき影響力よ…。